中高一貫校で働くということ 6年間を見通す学校の仕事
中高一貫校で働くということ 6年間を見通す学校の仕事
中高一貫校は、同じ生徒を6年間見られる一方で、担当校種や進度、部活動の関わり方が中学・高校の単独校とは違います。転職先として検討するときに確認しておきたい点を整理しました。
概要
私立学校の求人を見ていると、「中高一貫」「完全一貫」「併設型」といった言葉によく出会います。
中高一貫校の教員は、同じ生徒を6年間にわたって見られるという、単独校にはない特徴を持った働き方です。一方で、担当する校種の幅、授業の進度、校務の組み立て方も単独校とは変わります。
「中学と高校の両方の免許が要るのか」「どちらの授業を持つことになるのか」——応募前に確かめておきたい点を整理します。
詳細
一口に「一貫校」といっても形が違う
まず、いくつかの型があることを押さえておくと、求人の読み方が変わります。
- 完全型(中等教育学校など) … 高校からの募集を行わず、6年間同じ集団で進みます
- 併設型 … 中学からの内部進学生と、高校からの入学生が混ざります
- 連携型 … 別の学校どうしが教育課程で連携する形です
このうち、内部進学生と高校からの入学生が混ざる学校では、高校の途中で学習進度の異なる集団を扱う場面が出てきます。カリキュラムの組み方や、どの学年をどう担当するかは学校ごとにかなり違うため、求人票と学校のウェブサイトの両方を見ておくとよいでしょう。
免許はどうなるか
中高一貫校では、中学の授業と高校の授業の両方を担当することが珍しくありません。そのため、中学校教諭免許と高等学校教諭免許の両方を求める募集が多く見られます。
ただし、これは学校と担当教科によります。片方の免許だけで応募できる募集もありますので、必要な免許は必ず求人票で確認してください。もし片方しか持っていない場合でも、まず募集要項を読み、不明なら学校に問い合わせるのが確実です。
6年間見られることの意味
一貫校の魅力としてよく挙げられるのが、生徒の成長を長く見られるという点です。
中学1年で受け持った生徒を、高校3年まで知っている。担任として関わらなくなっても、校内で顔を合わせ続ける。この関係の長さは、単独校では得にくいものです。
指導の面でも、6年間を見通して積み上げる設計ができます。「この単元は中3でやるから、高1ではここから始められる」という前提で授業を組めるのは、教科指導の面白さにつながります。
一方で、関係が長く続くということは、うまくいかない関係も長く続くということでもあります。生徒との相性や、保護者との関係が難しくなったとき、学年が上がっても切り替わらない場面はあります。これは実際に働くうえで無視できない点です。
部活動と行事の関わり方
中高一貫校では、中学と高校の部活動が合同で行われることがあります。合同なら、顧問として関わる生徒の年齢の幅が広くなり、活動期間も長くなります。
行事についても、中高合同で実施するものと、別々のものが混在します。受け持つ校務の範囲が単独校より広くなりやすいため、応募の段階で「部活動は中高合同か」「行事はどちらの校種を担当するか」を確認しておくと、入ってからの想定がずれません。
部活動の負担そのものについては、部活動の負担を減らしたい先生の選択肢もあわせてご覧ください。
面接で聞いておきたいこと
中高一貫校の選考では、次のような点を確認しておくと入職後のずれが減ります。
- 担当するのは中学・高校のどちらが中心か。年度によって変わるか
- 授業の持ち時間数と、担当する学年の幅
- 内部進学生と高校入学生のクラス編成をどうしているか
- 部活動は中高合同か、顧問の割り当て方はどうなっているか
- 6年間のカリキュラムを、教科としてどう設計しているか
最後の項目は、聞くことでその学校が教科指導をどれだけ大事にしているかが見えてきます。答えがはっきりしている学校ほど、教科の組み立てに時間をかけています。
向いている人
一貫校が合いやすいのは、次のような方です。
- 長い期間をかけて生徒の変化を見たい
- 学年をまたいで教科の設計に関わりたい
- 中学生・高校生のどちらの年齢とも関われる
逆に、特定の学年に集中して力を注ぎたいという場合は、単独校のほうが合うこともあります。どちらが良いという話ではなく、自分の力の入れどころがどこかという問題です。
まとめ
中高一貫校は、6年間という時間の長さが、そのまま働き方の特徴になっている職場です。生徒との関係も、教科の設計も、その長さを前提に組み立てられます。
応募にあたっては、必要な免許と担当する校種の実態の2つを、求人票で必ず確認してください。学校によって形がかなり違うため、「一貫校だから」という一般論では読み切れません。
ティーチャーズキャリアでは、私立学校の教職員募集を都道府県別・教科別に掲載しています。気になる学校が見つかったら、募集要項と学校のウェブサイトを合わせて読んでみてください。