英語教員の転職 求人が多い校種と、募集要項の読み方
英語教員の転職 求人が多い校種と、募集要項の読み方
英語は私立学校でもっとも募集の多い教科です。ただし求人数の多さがそのまま採用枠の多さではありません。掲載中の英語求人223件を集計し、多い校種・地域、複数教科まとめ募集の見分け方、応募前に確認したい点を整理しました。
概要
英語は、私立学校の教員募集でもっとも数の多い教科です。ティーチャーズキャリアに掲載中の求人579件(2026年8月19日時点)のうち、英語を募集教科に含むものは223件。全体のおよそ4割にあたります。学校数でいえば219校、38都道府県に広がっています。
数だけ見れば、英語の先生は転職しやすい教科だといえます。実際、他教科の先生から「英語はいいよね、募集が多くて」と言われた経験のある方もいるのではないでしょうか。
ただ、この223件をそのまま「英語の採用枠が223ある」と読むと、応募の見通しを誤ります。集計してみると、英語だけを単独で募集している求人は31件で、残りの192件は複数の教科をまとめて出した募集でした。1つの募集要項に「国語・英語・理科」と並んでいて、実際に空いているのは1教科分、ということが珍しくありません。
この記事では、掲載中の求人を集計した結果をもとに、英語の求人がどこに多いのか、募集要項のどこを見れば「本当に英語を採るのか」が判断できるのかを整理します。
詳細
英語の求人はどの校種に多いか
掲載中の英語求人223件を校種別に分けると、次のようになりました。
- 高等学校 93件
- 中高一貫 89件
- 通信制高校 18件
- その他(教育関連企業など) 16件
- 中学校 4件
- 高等専門学校 3件
高等学校と中高一貫で182件、全体の8割以上を占めます。設置区分では220件が私立で、国立は3件でした。公立学校の採用は各都道府県・政令市の教員採用試験を通るのが原則で、こうした通年の求人票の形にはあまり出てきません。つまり、求人サイトで英語の募集を探すという行為は、実質的に私立学校を探すことにほぼ等しいということです。公立と私立のどちらを軸にするかで探し方そのものが変わるので、この点は最初に整理しておくとよいと思います。違いは私立と公立、教員として働くうえで何が違うかにまとめています。
中高一貫が89件と多いのも英語の特徴です。中学と高校の両方を担当する前提の募集が多く、中高両方の免許状を持っているかどうかが応募可否に直結します。中高一貫校での働き方は中高一貫校で働くということで詳しく触れています。
地域の偏り
都道府県別では東京都が76件と突出しており、英語求人全体の3分の1がここに集中しています。以下、埼玉県15件、神奈川県14件、千葉県12件、兵庫県11件、茨城県10件と続きます。首都圏1都3県で127件、全体の半分以上です。
私立学校そのものが都市部に多いためで、英語に限った話ではありません。ただ、地方在住で転居を考えていない場合、「英語は募集が多い」という一般論が自分の地域には当てはまらないことがあります。まず自分の希望地域の都道府県別の求人一覧で件数を確かめてから、動き方を決めることをおすすめします。東京・大阪については東京の私立学校で働く、大阪府で教員として働くも参考にしてください。
「複数教科まとめ募集」をどう読むか
ここが英語の求人でいちばん注意したいところです。
私立学校の教職員募集は、その年度に補充が必要な教科をまとめて1件の募集要項として出すことがよくあります。掲載中の英語求人223件のうち192件がこの形でした。募集教科の欄に「国語・英語」「英語・数学・理科」のように並んでいるものです。
この形式の募集を読むときは、次のような点を確認してください。
- 教科ごとの募集人数が書かれているか。 「各若干名」なのか、「合計1名」なのかで意味がまったく違います。書かれていない場合は、学校に直接問い合わせて構いません。採用担当者にとっても、応募前の確認は歓迎される問い合わせです。
- 専任教諭・常勤講師・非常勤講師のどれなのか。 まとめ募集では、教科によって雇用形態が違うことがあります。掲載中の英語求人では193件が「専任教諭・常勤講師ほか(要確認)」という表記で、募集要項を見ないと確定しないものが大半でした。この区別は待遇にも次の転職にも影響します。専任教諭・常勤講師・非常勤講師の違いを先に読んでおくと、要項が読みやすくなります。
- 担当する校種の範囲。 中高一貫校では「中学の英語のみ」「中高両方」で必要な免許状が変わります。
- 英語以外の校務。 国際交流担当、留学生対応、英語部の顧問などが実質的に付いてくることがあります。これは負担にもなり、専門性にもなります。
要項に書かれていない条件は、応募前に確認するのが原則です。締切間際に問い合わせると学校側も答えにくいので、見つけた時点で早めに動くほうが結果的に得をします。
英語ならではの選考対策
英語の選考では、模擬授業が課される割合が高い印象があります。学校ごとに条件が違うため断定はできませんが、応募先の募集要項に模擬授業の記載があるかは必ず確認してください。指定される形式は「英語で行う」「日本語で導入し英語で展開する」など学校によって幅があり、事前に分からない場合は問い合わせて確認する価値があります。
もう一つ、英語は学校の教育方針との相性が出やすい教科です。国際バカロレア(IB)や英語コース・国際コースを持つ学校では、求められる役割が一般的な英語科とかなり違います。掲載中の英語求人でも、こうしたコースを持つ学校からの募集が複数ありました。授業を英語で行う、海外大学進学の指導に関わる、といった業務が中心になる場合があります。志望動機を書く前に、その学校が英語教育に何を期待しているのかを学校公式サイトで読み込んでおくと、書類の説得力が変わります。
なお、応募資格として必要になるのは中学校教諭免許状・高等学校教諭免許状の「英語」です(教育職員免許法)。取得見込みでの応募を認める学校も多くあります。英語検定やTOEICなどのスコアを応募条件や目安として挙げるかどうかは学校によって異なりますので、各校の募集要項をご確認ください。
通信制高校という選択肢
英語求人223件のうち18件は通信制高校からのものでした。件数としては多くありませんが、ここ数年で募集が増えている領域です。
通信制の英語指導は、レポートの添削とスクーリング(対面授業)が軸になります。毎日同じクラスに授業をする形ではないため、全日制の感覚のまま応募すると入ってから戸惑うことがあります。一方で、生徒一人ひとりの進度に合わせて関われる点を魅力に感じる先生もいます。詳しくは通信制高校の教員という働き方をご覧ください。
募集が出る時期
私立学校の教職員募集は、次年度の人員が固まる時期に集中します。ただし欠員補充の募集は年度途中にも出ます。英語は募集母数が大きいぶん、年度途中の求人に当たる可能性も他教科より高いといえます。
時期の考え方は教員が転職するのに適した時期に整理していますので、動き出すタイミングを決める際に参考にしてください。
まとめ
英語は私立学校でもっとも募集の多い教科で、掲載中の求人でも全体の約4割を占めます。ただし、その多くは複数教科をまとめた募集であり、求人数の多さがそのまま英語の採用枠の多さを意味するわけではありません。
探すときに押さえておきたいのは次の3点です。
- 求人の中心は私立の高校・中高一貫校。 公立を志望するなら教員採用試験という別の入り口になります。
- 地域の偏りが大きい。 東京都に3分の1が集中しています。希望地域の件数を先に確認してください。
- 募集要項では「教科ごとの人数」と「雇用形態」を確認する。 書かれていなければ応募前に問い合わせて構いません。
まずは英語の求人一覧で、いま出ている募集を見てみてください。転職活動の進め方そのものに迷いがある場合は、教員の転職のはじめ方から読み進めるとよいと思います。
※ 本文中の求人件数は、ティーチャーズキャリア掲載中の公開求人(2026年8月19日時点、579件)を集計したものです。募集内容・応募条件は学校によって異なりますので、応募の際は必ず各学校の公式サイトおよび募集要項をご確認ください。