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高専の教員の1年 授業以外は何をしているのか

高専の教員の1年 授業以外は何をしているのか

高専の教員は、授業のほかに学級担任・学生寮の宿日直・クラブ指導・専攻科の指導・学校運営を担います。香川高専が公開する「授業以外の職務概要」をもとに、公募には書かれていない仕事の中身を整理しました。

出典: ティーチャーズキャリア編集部 / 最終更新:

公開: 2026-08-25

概要

高専の教員になるには?では、公募がどこに出て、応募資格に何が書かれているかを整理しました。ただ、公募や募集要領を読んでも分からないことがあります。採用されたあと、授業のない時間に何をしているのかです。

中学・高校であれば、担任や部活動顧問、校務分掌といった言葉から、なんとなく仕事の中身を想像できます。ところが高専は、15歳の1年生から専攻科の21〜22歳まで、5〜7年にわたる学生を教育する高等教育機関です。中学・高校とも大学とも違う職務の組み立てになっていて、応募資格の欄からは見えてきません。

この記事では、香川高専が採用情報として公開している「授業以外の職務概要」という資料をもとに、実際にどんな業務があるのかを整理します。内容は学校によって差があります。数値や体制は香川高専の例であり、志望先の実際の負担は募集要領や面接で確認してください。

詳細

学級担任 1学級40名を、6年近く見ることもある

高専にも中学・高校と同じように学級担任が置かれます。香川高専の資料では、1学級40名程度の学生に対し、勉学・生活指導など学生生活全般にわたる指導を行うとされています。毎朝のショートホームルーム、放課後の教室清掃の指導、体育大会や高専祭といった行事の指導・助言・引率、そして学生や保護者への個別対応が含まれます。

高専の本科は5年一貫(商船学科は5年6か月)なので、担任として同じ学年を持ち上がりで見ることもあります。中学を出たばかりの15歳から、就職や進学を控える20歳まで、成長の幅が大きい時期を継続して見る仕事になります。

学校運営 主事・主事補・委員会という役割

高専の校務は、教務・学生・寮務という3つの主事を軸に組み立てられています。香川高専の例では、教務委員会・学生委員会・寮務委員会をはじめとする各種委員会の委員として運営に携わるほか、副校長、3主事とそれを補佐する主事補、専攻科長、学科(科)長、各種センター・室の長といった管理運営の役割も、教員が持ち回りで担います。

中学・高校の校務分掌(教務・生徒指導・進路指導など)と役割の発想は近いものの、専攻科長のように高等教育機関特有の役職があるのが高専らしいところです。

研究と社会貢献 高等教育機関としての義務

高専は大学と同じ高等教育機関でもあるため、教育内容を学術の進展に対応させる目的で、研究を行うことが義務づけられています。研究成果を学会などで発表するだけでなく、出前講座や公開講座を通じて地域に還元することも期待されています。中学・高校の教員採用にはあまり出てこない要素で、高専の教員になるには?で触れた「学位」や「研究・実務の業績」が応募資格として問われる理由でもあります。

クラブ指導と学生引率

日常の課外活動・練習試合・合宿の指導に加え、各種コンテストや大会への学生引率・運営業務も教員の仕事に含まれます。ロボットコンテストやプログラミングコンテストなど、高専ならではの大会が多いのも特徴です。

学生寮の宿日直 高専に特有の負担

中学・高校にはあまりない業務が、学生寮の宿直・日直です。香川高専の場合、高松キャンパスの寮に約160名、詫間キャンパスの2つの寮に約210名の学生が居住しており、生活の場であると同時に教育の場と位置づけられています。集団生活を通じた人格形成のため、教員が交代で宿直・日直の業務にあたります。

自宅から通学できない学生を受け入れている高専では、この寮務の比重が学校選びの分かれ目になります。寮の有無、入寮者数、宿日直の頻度は学校ごとに大きく違うので、志望先を検討する段階で確認しておきたい点です。

専攻科の指導 本科とは違う関わり方

高専の本科(5年)を修了したあと、さらに専門分野を深める2年間の課程が専攻科です。香川高専の例では専攻科の学生は21〜22歳で、年齢としては大学の学部生に近くなります。本科の学級担任のような生活指導中心の関わりではなく、卒業研究や特別研究の指導が中心になり、大学の研究室に近い関わり方になります。専攻科を置いていない高専もあるため、公募の段階で専攻科の指導があるかどうかを確認しておくと、着任後の業務の見通しが立ちます。

入試業務

高専の入試(学力検査・推薦選抜など)や、編入学に関わる業務も教員が分担します。年度末から新年度にかけて、通常の授業・学級担任・研究と並行して発生する業務です。

学校によってかなり違う

ここまでの業務は、香川高専の資料に基づく一例です。国立高専だけで51校、公立・私立を含めると58校あり、学級規模、寮の有無、専攻科の有無、委員会の構成は学校ごとに異なります。中学・高校の教員経験がある方であれば、学級担任やクラブ指導のイメージは近いものになりますが、寮務と専攻科の指導は高専特有です。この2点については、志望校が実際にどの程度の負担を求めているか、募集要領や採用担当への問い合わせで確認することを勧めます。

当サイトでは学校が公開している高等専門学校の教員求人をまとめています。募集要領には応募資格までしか書かれていないことが多いので、寮の有無や専攻科の設置状況は学校のウェブサイトもあわせて確認してください。

まとめ

高専の教員の1年は、授業(実験・実習を含む)に加えて、学級担任・学校運営(委員会・主事)・研究と社会貢献・クラブ指導・学生寮の宿日直・専攻科の指導・入試業務という、複数の役割が同時並行で積み重なる形になっています。中学・高校の学級担任やクラブ顧問に近い業務がある一方で、学生寮の宿日直と専攻科の指導は高専特有で、公募の応募資格欄からは見えてきません。

検討するときは、専門分野が募集内容と合うかを確認したうえで、寮の有無・入寮者数・専攻科の設置状況を志望校ごとに確かめてください。同じ「高専の教員」でも、学校によって授業以外の負担はかなり変わります。

(出典:香川高等専門学校「教職員採用情報」内「香川高専の教員が携わる授業以外の職務概要」)

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