教員の転職で後悔する人・しない人 分かれ目はどこにあるか
教員の転職で後悔する人・しない人 分かれ目はどこにあるか
転職してよかったと思える人と、後悔する人の違いはどこにあるのでしょうか。辞める理由の立て方、負担の言語化、応募前に確かめられること、決める時期の選び方という5つの分かれ目から、判断の質を上げる方法を整理しました。
概要
転職して「動いてよかった」と思う人と、「戻りたい」と思う人がいます。この違いは、移った先が良い学校だったかどうかだけでは決まりません。
同じ学校に移っても、片方は納得していて、もう片方は後悔していることがあります。分かれるのは移った先ではなく、決めるまでのプロセスのほうです。何を確かめて、何を確かめずに決めたか。ここに差が出ます。
この記事では、判断の質を分ける5つのポイントを整理します。転職するかどうかまだ決めていない段階でも使えますので、いま迷っている方こそ読んでみてください。
詳細
後悔の正体は「思っていたのと違った」ではない
まず前提を一つ。転職先が想像と違うこと自体は、程度の差はあれ、どこでも起こります。学校ごとに文化が違い、外から全部は見えないからです。
後悔として残るのは、「確かめられたはずのことを、確かめずに決めていた」と後から気づいたときです。逆に、確かめたうえで違っていた場合、人はわりと立て直せます。判断のプロセスに納得があるかどうかが効いてきます。
だからやるべきことははっきりしています。確かめられることを、事前に確かめる。それだけです。
分かれ目1 「辞める理由」だけで決めていないか
いま辛いから動く。これは動機として自然ですし、悪いことではありません。ただし「辞める理由」だけで決めると、次の場所を選ぶ基準がないまま選ぶことになります。
「とにかくここではない場所」で探すと、条件のどれを優先するかが定まりません。結果として、たまたま最初に受かったところに決めてしまい、また同じ負担に当たることがあります。
必要なのは、辞める理由の隣に「次の場所に何を求めるか」を1つか2つ置くことです。多くする必要はありません。「授業準備の時間が取れること」「土日が原則空くこと」のように、譲れない条件を絞って言葉にしておくと、選ぶときの基準になります。
考えを整理する順番は教員からの転職、何から始める?でまとめています。
分かれ目2 何が負担だったのかを具体化したか
「忙しい」「疲れた」で止めてしまうと、次の職場で同じことが起きても事前に見抜けません。
同じ「忙しい」でも、中身はまったく違います。
- 授業のコマ数そのものが多い
- 授業以外の校務分掌の量が多い
- 部活動の指導で土日が埋まる
- 保護者対応に時間と気力を取られる
- 人間関係の負荷が大きい
このうちどれが一番効いているかで、選ぶべき転職先が変わります。部活動が原因なのに、コマ数だけを見て学校を選んだら意味がありません。逆に、コマ数が問題なのに「部活動のない学校」を選んでも、負担は減らないことがあります。
面倒でも、直近の1週間を思い出して時間の使い方を書き出してみてください。感覚と実態がずれていることは珍しくありません。
分かれ目3 応募前に確かめられることを確かめたか
求人票に書かれていないことは、聞いていいことです。「聞くと印象が悪いのでは」と考えて確認を飛ばしてしまうのは、後悔につながりやすい行動です。
確かめておきたいのは、たとえばこうした点です。
- 持ちコマ数と担当科目 … 何コマで、どの学年のどの科目か
- 部活動の割り振り方 … 顧問は必須か、希望を聞くのか、外部指導者はいるか
- 校務分掌 … 初年度からどこまで持つのか
- 勤務の実際の終わり時刻 … 会議が何時に終わるか
- 前任者がなぜ辞めたか … 答えにくい質問ですが、答え方に学校の姿勢が出ます
これらを聞いて不機嫌になる学校であれば、その反応自体が判断材料になります。採用したい学校ほど具体的に答えます。
私立と公立では確認すべき点も変わります。私立と公立、教員の働き方はどう違う?もあわせてご覧ください。
分かれ目4 失うものを先に数えたか
転職で得るものは検討中によく見えていますが、失うものは見落とされがちです。
- 慣れた通勤経路と生活のリズム
- 気心の知れた同僚、相談できる相手
- 校内での役割や信頼の蓄積
- 待遇面の条件(給与体系、退職金の計算、共済や保険の扱いなど)
待遇については、制度が勤務先によって異なります。気になる場合は思い込みで判断せず、応募先および現在の勤務先の担当部署に確認してください。
失うものを数えるのは、転職を思いとどまるためではありません。先に数えておくと、移った後にそれらが無くなっても「想定内」になるからです。想定していなかったときにだけ、それは後悔になります。
分かれ目5 決める時期を自分で選んだか
一番消耗している時期に大きな決断をすると、判断の幅が狭くなります。学期末や行事の直後は、特にそうです。
とはいえ、教員の採用には年度のリズムがあります。動きやすい時期を外すと、選択肢そのものが減ります。このバランスの取り方は教員の転職に適した時期はいつ?で整理しました。
考え方としては、「決断する時期」と「情報を集める時期」を分けるのが有効です。しんどい時期でも情報は集められます。決めるのは、少し落ち着いてからで構いません。求人を見ること自体は、辞める決心とは別の行為です。
退職を伝える段取りについては退職を伝えるタイミングと伝え方をご覧ください。
面接で語れる形になっているか
もう一つ、実務的な話を。ここまでの整理ができていると、面接での説明が自然に通ります。
「なぜ辞めるのか」と聞かれたとき、負担を具体的に言語化していて、次に求めるものが定まっている人は、そのまま答えれば筋の通った話になります。整理できていないと、不満の話に寄ってしまいがちです。
つまり後悔しないための準備と、選考を通るための準備は、ほぼ同じ作業です。詳しくは面接で「なぜ教員を辞めるのか」と聞かれたらをご覧ください。
まとめ
転職の後悔は、移った先の良し悪しよりも、決めるまでに何を確かめたかで決まります。
- 辞める理由だけでなく、次に求めるものを1つか2つ言葉にする
- 「忙しい」の中身を分解して、何が一番効いているかを特定する
- 求人票に書かれていないことは面接で聞く。聞ける学校かどうかも判断材料になる
- 失うものを先に数えておく。数えてあれば想定内で済む
- 情報を集める時期と、決断する時期を分ける
この5つを踏んだうえで移れば、仮に想像と違う部分があっても立て直せます。逆に、どれかを飛ばしたまま決めると、後から「あのとき確かめておけば」が残ります。
なお、勤務条件や待遇の扱いは学校・自治体によって異なります。最終的な条件は、必ず応募先の募集要項と担当部署にご確認ください。
まずは求人を見て、どんな条件が出ているかを知るところからで構いません。東京都の教員求人、大阪府の教員求人からご覧いただけます。